BMW R1300GS Adventure用フロントフェアリングの「ホワイト仕様の予定はありますか?」というお問い合わせを先週頂きました。
また「なぜBCD製品は黒ばかりなのか?」という質問は以前から多く寄せられるので、私なりの考えを書き留めておきます。
BCDは過去に白色のカウル類も製造していましたが、現在は「つやあり黒」と「つや消し黒」の2種類に絞られています。
私はこの理由をBCDのデザイナーに尋ねたことはありません。しかし、黒を選ぶ背景には、デザインそのものを際立たせる考え方があるのではないかと思っています。
例えば、デッサン(素描)では色彩よりも、光・陰影・構図が重視されます。
もし水墨画を鮮やかな水彩絵の具で描いたら、本来の魅力や表現したい世界観が変わってしまいます。
BCDのデザイナーは色を避けているのではなく「美しい物はそのままで美しい」という考え方なのかと思います。
飾り気の無さに深みや価値を見いだす感覚は、日本の「侘び寂び」に通じている気がします。
一口に黒と言っても、BCDでは「つやあり」と「つや消し」という異なる素材を用意しています。
そして面白いことに、いずれも実際には「黒」には見えることはありません。
その理由は、どちらの素材も必ず光を反射するからです。
つやあり黒は反射率が高く、強い光を受けると黒というより白っぽく見えます。また、ツルツルの滑らかな表面には周囲の景色や空の色が鏡のように映り込み、常に表情が変化します。
一方、つや消し黒は反射が抑えられており、景色の映り込みはほとんどありません。その代わり、反射光は柔らかなグレーのように見え、パーツの輪郭や立体感がより明確に感じられるでしょう。
つまり、BCD製品の黒は単なる「色」ではなく、光や周囲の環境によって表情を変える素材そのものの魅力でもあるのです。
だからこそ、多くのデザイナーやクリエイターが「黒」に魅了されるのかもしれません。
黒は、実に神秘的な色なのです。
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