テネレ700にパワークラッチアームを取り付けたら、クラッチのオン・オフ、そして半クラッチの感覚が変わってしまった。
どうしたらよいのか、との問い合わせがありました。
聞くところによると、パワークラッチアームを付けるとクラッチ操作に影響がある、といった情報がネット上にあり、それを読んで心配になったそうです。
この類いの問い合わせが数回寄せられたのを機に、この事象について考えてみます。
私はパワークラッチアームに不具合は感じないし、とても使い勝手が良いので元に戻したくはありません。
では、なぜ不具合を感じる人がいるのか?
私が直接点検をした訳ではないので、このお客様の不具合の度合いや原因はわかりません。
ただ、こういった問い合わせを何件か対応すると、状況がなんとなく分かってきます。
→ 違和感を感じるのは、クラッチの構造や調整方法にあまり詳しくない人のような気がします。
恐らく、ヤマハ純正のクラッチアームを外し、シャフト(軸)のスプライン(ギザギザ)の同じ位置にパワークラッチアームを取り付ける。
そして、ワイヤーをパワークラッチアームに繋ぎ、エンジンをかけギア操作をすると・・・アレレ?
クラッチレバーは軽くなったけれど、クラッチが思ったように切れない、繋がらない・・・
恐らく、そんな流れでしょう。

上記は、パワークラッチアームとヤマハ純正のアームを比較のために同じ位置(水平)に取り付けた概略図です。
- 軸(支点)からAはヤマハ純正のアームの長さ
- 軸(支点)からBはパワークラッチアームの長さ
- クラッチレバーを握るとアームはワイヤーに引っ張られて軸を中心に下から上に動く
大切なことは、半クラッチになる(または、クラッチが切れる)目安(点線)は従来通りなので、クラッチレバーを握ってそこに至るまでの握り幅は Bb>Aa となります。
そこで、テコの原理の応用したパワークラッチアームを装着した状態で、アームの移動幅(可動域)を Bb=Aa に近づけるにはどうしたらよいか・・・・を考える必要があります。
それが、商品に同梱している説明書でいう「クラッチの調整」です。
この作業をする前に、クラッチの調整をする要素はいくつあるかをよ〜く考えてみてください。
たとえ話ですが、タイヤやブレーキパッドを新品に交換すると、以前と操作感覚が変わるのは誰もが経験していると思います。
これは、新しいタイヤ、あるいは、ブレーキパッドに問題がある訳ではありません。
運転手が新しい感覚に慣れる必要があるのです。
パワークラッチアームを取り付けた場合も同じです。今までの感覚はリセットされ、全てをゼロから再設定するものだと心得ましょう。
プラモデルのように、部品を組み立てたら完成ではありませんのでご注意下さい。
恥ずかしながら、こんな事を書いている私も、最初はクラッチが切れている状態と、半クラッチの微妙な境目を見極めるのに手こずった覚えがあります(笑
もし・・・
- この作業手順がよく分からない
- 自分で作業をする自信がない
そういう場合は、ご自分での取付け・調整は諦めて、いつもお世話になっているショップに作業の全てをお願いして下さい。
当然、メーカーにもこれと似たような問い合わせはあるようで、ショップで取付け・調整をしてもらうように促しているそうです。
2024年モデル以前のCP2エンジンはVer.1
2025年モデル以降のCP2エンジンはVer.2
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