DIYチューニング R nineTサスペンション

よもやま話

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BMW R nineTって乗りやすい!

と言っている人がいるけれど本当ですか?

私が(アーバンG/S)を乗り出してすぐに不快に思ったのは

    • 数時間走ると尻が痛い
    • ハンドル幅が広い
    • 手首の上あたりが痛くなる
    • 前傾しすぎて辛い

といった点です。

車輌に約200万円も払うと、肉体的な痛みも麻痺するのでしょうか?

そして、上記以外に悪い印象を持ったのはリアのサスペンションです。

納車時の設定のままだとカーブが曲がりづらい。

自分はこんなにバイクの運転がヘタだったかなと落ち込むくらい酷い。

その原因はサスペンションが固いから。

今回のブログ記事は、サスペンションの設定に関してです。

それも「自分でできるサスペンションチューニング」です。

下記の方法なら、R nineTに付いているメーカー純正のサスペンションを費用をかけずに調整できます。ただし、手間と時間がかかるので、ゆっくりと時間をかけてお楽しみ下さい。

さて、皆さまの愛車のサスペンションの設定はどうなっているでしょうか?

恐らく、納車時のままの方が多いのではないでしょうか。

まず最初に知って頂きたいのは、サスペンションはとても気むずかしい部品だということ。

サスペンションのチューニング=自分の理想の異性を探し求めること

と考えてみてください。(強調しておきますが、これに正解はありません!)

サスペンションの働き

そもそも論から入りますが、サスペンションは乗り物の乗り心地を良くするためや操作性を良くするために付いています。

基本としての例え話ですが、心のなかで靴底が厚くて柔らかいランニングシューズと、靴底が固くクッション性が低い靴を思い浮かべてください。

そして、その2種類の靴を履き替えて、エンジンのかかっていない自動車を後ろから押す自分を想像します。

ランニングシューズを履いている場合は、底が柔らかいので、足の力を地面に伝えにくいはずです。

想像しにくい場合は、靴底がスポンジのように柔らかいと思って下さい。(柔らかいと踏ん張りにくい筈です。)

一方、靴底が固い場合は、クッション性が少なく足の力を地面に伝えやすいので、踏ん張りが効きやすいです。

つまり

  • 靴底が柔らかいと疲れにくいけれど、踏ん張りが効かない
  • 靴底が固いと疲れやすいけれど、踏ん張りが効く

これがサスペンションの基本作用と効果です。

サスペンションが柔らかければ、フワフワするのでライダーは乗り心地が良いです。

ただし、フワフワしているので車輌の反応は鈍く、タイヤの踏ん張りが弱く感じるでしょう。

サスペンションが固ければ、路面のガタガタがライダーに伝わるので乗り心地が悪いです。

その代わり、車輌のコントロールや反応が鋭敏になり、タイヤの踏ん張りも感じやすくなります。

サスペンションチューニングのポイントは、自分がどういった走り方が好みで、どういった理想で走りたいかを見極めて下さい。

ライダーの体重

納車されたままのBMWバイクのサスペンションで乗りやすいと感じる人は、恐らく体重が80キロを超える人かと思います。(身長や腕の長さについては省きます。)

探してもメーカーの資料が見つからないのですが、納車時の設定は85キロ位のライダーを基準にしているというのがもっぱらの噂です。

仮に、体重85キロを基準にサスペンションの設定をしているバイクに

  • 60キロのライダーが乗ると、サスペンションは固め
  • 100キロのライダーが乗ると、サスペンションは柔らかめ

ということになります。(ライダーの装備の重さや荷物の重さは省きます。)

この違いが分かりやすいのはコーナーリング時の車輌の挙動です。
(オフロードやギャップでの挙動についてはここでは省きます。)

  • 車輌が重くて曲がりにくいと思ったら、固めの可能性が高い
  • カーブで踏ん張りが効きにくいと思ったら、柔らかめの可能性が高い

ポイントは、自分の乗車時の体重(ヘルメットやウェアを含む)に対して、サスペンションが固めか柔らかめかを見極めることです。

サスペンションの調整方法

年式・モデルにもよりますが、R nineTのリアサスペンションの作業にはフックレンチという工具と、マイナスドライバーが必要です。(フックレンチは納車時に受け取っている筈です。)

サスペンションは基本的にスプリングとショックアブソーバーといった2つの部品で構成されています。

まず最初に、サスペンションのスプリングの上側にはリングナットというネジが2個ついており、それらをフックレンチで調節します。(プリロード調整と呼ばれています。)

リングナットは

  • 強くしめるとスプリングが圧縮されて、乗り心地は固めになり、操作の反応が敏感になる
  • 弱めにしめるとスプリングが伸びて、乗り心地は柔らかめになり、操作の反応が鈍くなる
    ※本来、プリロード調節は足つきをよくするための高さ調節機能ではありません。

プリロード調節の次は、ショックアブソーバー(ダンパー)側を調節します。

ショックアブソーバーの調整は、原則として、プリロードの設定にあわせます。

  • プリロードを柔らかく調節したら、ショックアブソーバーも柔らかめ
  • プリロードを固く調節したら、ショックアブゾーバーも固め

サスを固めに設定するのが上級者だ、と思っている人がいるかもしれませんが、それは勘違いです。

また、初心者だから柔らかめが良いということでもありません。

自分の好みや技量にあわせて調節するのがサスペンションの正しいチューニングです。

テスト方法

サスペンションの調整方法はわかったけれど、実際にどう試すのか?

30〜60キロのスピードで信号のある道路を走っても、好みのサスペンションの設定はできません。

まずは、周囲の人や車輌に迷惑のかからない自分なりのテスト走行コースを見つけて下さい。

テスト走行のポイント

  • タイヤの空気圧の点検(必須)
  • 路面が乾いている(必須)
  • 直線で勢いよく加速ができる(必須)
  • 急ブレーキができる(必須)
  • 左右の複合のコーナーがある(必須)
  • 道路の継ぎ目がある(理想)
  • 60〜100キロで走れる(理想)

殆どの場合、自分の体重や技量に対してサスペンションは固めの設定になっていると思います。

そこで(個人的には)柔らかめの設定から始め、無理をせずに徐々に固めにしてゆくことをお勧めします。

この方が、固めを柔らかく変更してゆくよりも安全ですし、変化が感じ取りやすいでしょう。

マニュアル等にはリングナットやショックアブソーバーの目盛りを何回転まわす・・・といった記述があると思いますが、違いを自分で体感するのが一番です。

テスト走行中は、空気圧や路面状況に注意をはらいながら、自分の技量で気持ち良く加速、停止、カーブを曲がれる、道路の継ぎ目で車輌が跳ねない設定を見つけます。

これには手間と時間がかかることは強調しておきます。数時間で理想の設定がみつかるかもしれないし、数日間かかるかもしれません。

サスペンションのチューニングで不安に思ったら、自分の理想の異性を探し求めることだと思い起こして下さい。

サスのチューニングに関しては色々な情報やアドバイスが出てきて困惑すると思いますが、これが理想だ!と決められるのはあなた自身です。

以上は、さほどお金をかけずにできるDIYサスペンションのチューニングの例です。

マイペースでツーリングを楽しむのであれば、BMW純正サスペンションでも自分好みに設定すれば楽しめると思います。

調整機能の無いBMWのフロントフォークだとしても、ハンドルグリップの持ち方や、ハンドルバーの抑え方を工夫すればちょっとしたダートくらいは楽しめるでしょう。(限界は低いですが)

一人のバイクオーナーとして欲をいえば、各ライダーの体重・好みに調節したサスペンションの設定をして納車をして欲しいものです。(もちろん手間と時間のかかることなので、有償サービスであるべきです。)

サスペンションを正しく設定すれば、愛車は乗りやすくなり、走るのがより楽しくなります。

逆に、メーカーで組み立てた状態で乗れば、まず乗りづらく、走っても楽しめないということです。

そういったバイクの本質には触れず、ツーリング情報、定期点検、オイル交換、タイヤ交換、と客をせっつくのはいかがなものかと思います。

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