商品販売の傍ら、正しい乗り方を伝えることが大切だと思った切っ掛けがあります。
私の友人を介して、当店のハンドルポジション調整キット(ハンドルバーライザー)に興味を持ってくれたA氏。
ライダー歴は長く、色々なバイクを乗り継ぎ、アドベンチャーバイクに挑戦をしてみたくなったそうです。
そこで、まずはA氏の乗り方を確認するためにテスト走行へでかけたところ、気になることがありました。
よく見かける乗り方です。
当人は、アドベンチャーバイクにトレールタイヤの組み合わせなら林道を走れるかも。
更に、ハンドルポジション調整キットをを取り付ければ自分に魔法がかかるかも、などと思ったのかもしれません。
でも、そんな都合の良いことはありません。
ここで一旦テスト走行は中断して、基本を確認することにしました。
当店の理想としては、一人一人のお客様に商品の特性を正しく理解したうえで、上手にご利用いただきたいと願っています。
ただし、これは非常に難しい。
これを身近な「ひげ剃り」の習慣になぞらえてみましょう。


電気シェーバーの愛用者にT字のカミソリをすすめてもまず受け入れてもらえません。
面倒くさい、上手に使えない、時間がかかる
では、T字のカミソリの愛用者に、電気シェーバーをすすめるとどうなるか?
音がうるさい、剃り心地が悪い
では、どちらもダメな製品なのか?
いえ、そうではありません。
それぞれの道具の短所だけに気が向いているだけです。
これは、自分の経験は正しい、否定されたくない、といった自尊心が誰にでもあるからでしょう。
その結果「今のままでいい!」とプラスの変化を遠ざけてしまうわけです。
今のA氏の課題は1つ。
シートに座らない!
オフロードバイクやアドベンチャーバイクの特性を楽しみたいなら、これが正しいスタート地点です。
世の実態としては、雑誌やネット情報に翻弄されたり、ファッション性を楽しむライダーが多いようですが、大切なのはこの基本です。
そんなことは教習所で習わない!
座らなければ安定しない!
高性能バイクを舐めているのか?
そう思われるかもしれませんが、それでは、映画ベストキッド(Karate Kid)でミスターミヤギから空手を習おうとするダニエルさんと同じです。(映画の演出はさておき、基礎なくして進歩は望めないのは何事も共通のはず。)
とにかく、この練習中はシートに座らないこと。
この感覚を体得しないと、次に進めません。
そして、約15分ほどのアスファルト上の練習の成果で、A氏もなんとなくオフロードライダーっぽくなりました。
ちなみに、スポーツ系・ツアラー系などはスタンディングポジションは必須ではありませんが、乗り心地を改善したい、上手になりたいなら、ライダーの重心の位置を改めて考えるのはとても大切なことです。
正しい乗り方(重心の移動)を心得たうえで、ノーマル車輌の特徴を把握し、そこへ今回の目的であった、ハンドルポジション調整キットを取り付ければ、本来の効果をより感じやすい、というものです。
正直なところ、アドベンチャーバイクに乗り換えてトレールタイヤを付ければ林道を走れるかもしれない・・・と消費者が思ってしまうなら、メディアの刷り込み効果は恐ろしいです。
当店では、まずオフロードライディングに特化したトレーニングを受けることを推奨しています。(気合いやスタイル優先では安全にオフロードは走れません。)
そして、この学びを機会に、当店ではPoC (ピーオーシー)プルーフ・オブ・コンセプト、つまり、当店取り扱いの一部の商品の概念(価値と正しい使い方)を理解してもらうための完全予約制のイベントを始めることとします。

時間は約1時間程度とし、有償の個別対応となりますが、参加費用は商品購入に充当できるのでお得です。(※諸条件あり)
PoC(ピーオーシー)の詳細は後ほど!
当店の承諾無しに、本ブログの内容の一部、または、全てを引用する事は堅くお断り致します。
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