当店では、ユーザーが正しいメンテナンスの知識を持ち、自ら点検保守をするのは良いことだと考え、それを推奨しています。
路上で不具合が起きた場合、頼りになるのは自分だけだからです。
正しい整備の知識や経験は安全に繋がります。
【注意】自主点検や整備は、整備工賃をケチる、ためのものではありません。プロの点検整備を軽んじると、結局は高額な代償を払うことになります。
以前にYou Tube動画を見て、とても気になった事があります。
BMWバイクのドライブシャフトケース内部のスプラインの部分の点検
(スプライン:ギザギザの連結部分)
点検の理由
BMWのマニュアルにはベベルギア(ファイナルドライブ)のオイル交換は2万キロとありますが、走行距離がそれ未満でもドライブシャフトのスプラインが錆びている事例があるようです。
※定期点検の項目ではベベルギアのオイル交換となっていますが、作業手順でドライブシャフトのスプラインを外すため、それとあわせて周辺も点検をします。
構造としては、ドライブシャフトケース(カバー)とベベルギアケースの連結部分にラバーブーツが装着されています。その中にドライブシャフトが収まっています。
実際にケースとブーツの取り付け(固定)を見ると分かりますが、そこが密閉されていないため、そこからケース内部に水分が入り込むようです。
オフロードは走らないという方も、水気や湿気は僅かな隙間から入り込みます。ラバーブーツをめくって覗きこむ程度の点検はしてもよいかもしれません。
以下では、ブログやSNS等で公開されている写真とYouTube動画リンクを拝借いたしました。



この部分にはスプライン用の上質なグリースを塗布しましょう。また同時に、接合部以外の摺動部にもしっかりと塗布することをお勧めします。
ドライブシャフトはチェーン駆動のようにメンテナンスが要らない・・・と勝手に思い込んでいる人がいるかもしれません。しかし残念ながら、そんな都合の良い機械構造はありません。全ての機械は消耗品なので、定期メンテナンスで延命をしています。
ディーラーで点検整備を受けた直後の場合は心配ありませんが、ユーザー車検専門の方は、是非ともこういった部分も気にかけましょう。
もし、このスプラインが錆びていたら、それは自分の責任です。
安全に長期間バイクライフを楽しむためにも、全部バラして、錆びを取り、しっかりとグリスアップしましょう。
ラバーブーツとケースの結合部分にもグリースを塗っておけば、多少は水も入りにくくなると思います。
これで半日から数日は自己メンテが楽しめるでしょう!
追記:「BMWドライブシャフトの自主点検:その2」もご覧下さい。
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